何もないことへの目晦まし

■等価交換
何かを行うことに対して、支出に対してどのくらいの効果がでるのか?を基に判断している。
「やるのはいいけど、どのくらい役に立つの?」とか「我慢してやったら、いいことあるの?」とか。
判断根拠は、等価値以上のもの。それに満たないものはやる必要がないこと。
「それって正しいことなのかな?」って最近になって考えた。


自分の中で決められた価値って、本当に合っているのだろうか?
取るに足らないものと判断されたものって、今の知識や環境で判断される。
「この勉強は将来役に立たない」「やりたいことを我慢してまで、この科目を勉強することに意味がない」
小学校や中学、高校と、勉強に対してそう思っていた人は、少なからずいると思う。
それって、学生の時の価値観で判断されしていいのだろうか?その質問は時間が止まった中でしか通用しない。
価値が変わらないものでなければいけないのだ。まるで品物を通貨で買うように。


時空という軸を追加して考えなければいけない。
価値は変わるのだ。それは価値もわからずに行動した後に、初めて気づくことからも知れない。
ある本を読んでそう思った。

岡村靖幸ツアーにいく。
最高でした。あのころの岡村ちゃんが確かにいた。念願の「ヘポタイヤ」も歌えたし。
大雨の中いった価値がありました。去年も雨だったらしく弾き語りの時に、
「名古屋ベイベー お願いだから、晴れ女になってくれよ 俺も努力するからさ」と歌ったのには笑った。

僕の心は震え 熱情が跳ねっかえる

そして朗読「人の体 街の体」
「僕はインド映画好きだ。特に好きなのは、ついていけないくらい独特な展開をするインド映画。僕の大好きなインド映画の落ちの一つに、輪廻落ちというのがある。輪廻落ちは、インドの生活の中から産まれ、映画となり生活に戻っていく。インドにある街の体から産まれた独特のものが、僕は大好きだ
僕の曲の中でテンポ130くらいの曲を130グループという。典型的なのは「愛し愛されて生きるのさ」とか。130グループの曲は、僕が痩せ気味で、腕が長くギターを持って作曲することから産まれてくる。もし僕が太り気味だったり、腕の長さが違っていたり、ピアノで作曲したら、130グループの曲は産まれてこないだろう。
完成した形で、皆は曲を聞いているわけだけど、僕は、ギターを弾きながら新しい曲と出会う。そんな雰囲気が感じられるように、僕と中村さん(ベース)が最初にスタジオで合わせる時のようにやってみます。」

メトロノームがテンポ130で鳴りだすと、ギターとベースとのセッションが始まる。そして、130グループ「強い気持ち 強い愛」、「さよならなんて云えないよ」「僕らが旅に出る理由」などの曲のさわりを歌い出す。「こんな曲ばかりでしょ?」と言った後、「暗闇から手を伸ばせ」が演奏される。歌い終わった後、バックの映像にLIFE期のオザケンの姿が映し出され、「愛し愛されていきるのさ」が演奏される。会場中が懐かしい映像を見ながら、「懐かしい」「若い!」などと口ぐちに話しだす。アットホームな雰囲気と笑いに包まれる。ひふみよで恒例となった「我ら時をゆく」の部分を思いっきり大合唱。次の曲は、これもひふみよで恒例となった感じたかった僕らを待つ「ラブリー」へ。
「完璧な絵に似た」今、この時に、オザケンがギターをかき鳴らす。最高潮の盛り上がりに拍手が鳴りやまない会場。そして、「この曲のためにコンサートに来た人も多いと思います」の言葉と共に「ある光」へ。
この歌に込められた当時のオザケンの思いから、ファンにとって特別な曲となっている。
(この曲込められた思いは、前にこのブログで書いた「ある光の考察http://d.hatena.ne.jp/fredstar77/20071118」を見てください)
曲の終わりが近づくと、会場が明るくなり客席の僕たちも光に包まれる。そして、小沢健二が「Let's get on boad」の後、歌詞にはない「光よ、一緒に行こう!」と繰り返し叫びながら歌う。この歌詞に込められた想いと足をばたつかせながらギターをかき鳴らすオザケンの姿に涙が止まらなくなってしまった。あの時の問に答える解が見つかったんだと。何度も繰り返されたフレーズが終わり、最後にギターをかき鳴らし、「ある光」が歌い終わると、今日、何度目も巻き起こった中でも一段と大きな拍手が巻き起こる。多分、みんなわかったんだと思った。
そして、会場を落ち着かせるように新曲「神秘的」が奏でられる。
「今日の歌のように 確かな時を 遠く照らす」
新曲が歌い終わり、ライブも終盤に近づく。時間が過ぎ、コンサートの終わりの時が近づくことをもどかしく思った。

いつのまにかベースの中村さんがバッハのようなかつらをかぶっていた。手に持っていた指揮棒を振ると、ストリングスメンバーが「HAPPY BIRTHDAY」を演奏する。歓声が巻き起こり、会場全体で「HAPPY BIRTHDAY」を歌う。ステージバックの影絵にケーキが現れ、ろうそくに火が灯る。オザケンが「忙しい中、何をやっているんですか?」と言いながらも、メンバーに促され息を吹きかけると、ろうそくの火が消える。「本当にありがとう」と何度も礼を言うオザケン。ひとしきり感謝の言葉を述べた後、グッズにある絵柄の所以を説明する。エスペラール(待つ)とエスペランサ(希望)という事や日本の街並みを描いたTシャツ。それからサイトやスカーフにも使用されている星の形は、本当は手裏剣だということ。
「美しいのはいいけど、いつも戦う気持ちを込めたいなと思って手裏剣の形にしました。上からみるとステージのテーブルも、手裏剣の形となっているんです。すごく綺麗なスカーフなんですけど、実は「戦う気まんまん」という。原発はエネルギー問題じゃない!!(手裏剣シュッ)」

そして、オープニングを飾った七尾旅人をステージに呼ぶと、一緒に「今夜はブギーバック/大きな心」歌う。RAP部分を「俺、スチャアニ」と歌うオザケンに、また会場が笑い出す。曲が終わり再度メンバー紹介をすると、メンバーが次々とステージから降りていく。
そして、オザケンが一人残ると、拍手に包まれながらオープニングを飾った「東京の街が奏でる」が演奏される・
「その誓いを今も覚えていると
懐かしい友の住む 街で確かめてみる
いつか何かを探す 僕らを照らす 照らす 照らす」
「第11夜 本当にありがとう」の言葉と共に、この日何度も起こった鳴りやまない拍手のなか会場全体を優しさが包む。
いつまでも鳴り続ける拍手にオザケンがステージに呼び戻され、ゆっくりとお辞儀をする。

君は完全にはしゃいでるのさ

次の朗読へ。
「大人の世界」
「子供のころ、家でインコを飼っていた。そのインコが話す言葉で「宿題やった?宿題やった?」というものがあった。何故、こんな言葉を喋るのだろうと、わからないまま高校生なった頃に、「僕が学校に行っている間に、母親が教えていた」という事に気がついた。
何故、高校生になって気がつくことができたのだろうか?多分、その何年の間に僕はいろいろなことを知り「あれは、母親が教えていたんだ」と気付いたんだと思う。
時間はただ過ぎるわけではない。そして今、僕らは母の歳になった。
大人は、子供の知らない沢山の事を知っている。長く生きている人は、短くしか生きてない人より、沢山の事を知っている。今の世は若いということがもてはやされるけど、年をとって、昔は解らなかった事が解るようになり、辛いことも楽しいことも知りながら時を経て、たまにはこうやって素敵な場所に集まって、騒げる歳になったことを祝いたいと思います。」

そう語り終えると、メトロノームが刻みだす。ゆったとしたテンポで「東京恋愛専科〜または恋は言ってみりゃボディー・ブロー」を歌いだす。サビ終わりの『素敵なNIGHT AND DAY』から、メトロノームのテンポが早く変わり、ギターを弾くストロークを強くしながら足をばたつかせたオザケンが高い声『それで、いつかいつか僕と君が〜』と歌いだすと、歓声があがる。そして、次の曲は「僕らが旅に出る理由」
2番の歌詞でまず会場の女性が
『そして君は摩天楼で 僕に宛て手紙を書いた 
「こんなに遠く離れていると 愛はまた深まってくの」と』
と歌うと、それにこたえるように男性が
『それで僕は腕をふるって、君に宛て返事を書いた。
とても素敵な長い手紙さ(何を書いたかはナイショなのさ)』
と歌い合うのには、ちょっと年甲斐もなくキュンとしてしまった。
立て続けて、「強い気持ち 強い愛」へ。イントロのストリングスが気持ち良いアレンジで歌い上げると「春にして君を想う」へ。ギターを爪弾く音が会場全体に気持ち良く響き渡る。本当にこの会場は、大きな音だけでなく小さな音もしっかりとクリアに響かせる。ストリングスが程よく小さな音で甘いメロディを奏でだし、歌の歌詞のようにゆったりと時間がたゆたう。

暗い道を歩く明るい光をつけよう

曲が終わると「小走り」を朗読する。
「言葉とは音や文字だけでなく、体の言葉『ボディランゲージ』がある。ネパールにこういう体の言葉がある。(頭をぐらぐらさせる。)ネパール人に意味を聞いてみたけど、組み合わせによって違う意味を持つらしい。日本でもネパールの「首ぐらぐらっ」のように、街に特有の光景を作っている体の言葉がある。例えば、『お辞儀」。エレベータが閉まる瞬間のお辞儀まである。エレベータの扉が閉まる瞬間と顔が視界から消える瞬間を見事に合わせて、「どうもありがとうございました。(扉が閉まる)」。なんて完璧なタイミング。そして、『小走り』。小走りのスピードは歩くのとほぼ変わらないけど、姿勢だけ走る形となっている。おそらく小走りは、謙虚さをあらわす日本の素晴らしい言葉だと思う。
ニューヨークの街で横断歩道を渡る黒人の友達と僕を待つ車がいた。日本人の僕は、小走りで謙虚さを示しながら横断歩道を渡る。すると、黒人の友人が「走らなくていいよ。こっちは渡っているのだから、向こうが待つのは当たり前だ。」と言う。たしかに、黒人たちはゆっくりと歩いている。黒人は、昔、奴隷だった。白人のご主人様に何か頼まれた時は、小走りをして謙虚さと働く姿勢をアピールする必要があった。しかし、解放運動により、小走りをしていた時代を終わらせ、勝ち取った権利をゆっくりと歩くことにより主張する。
さて、日本の「豊か」という言葉には、「ゆたゆた」とか「たゆたう」という言葉がつながっている。ゆっくりと急がなくていいという豊かさ。よく新聞では、日本は豊かな国といわれている。確かに日本はお金を持っている。しかし、言葉の本来持っている意味での「豊かさ」を持っているだろうか?今の日本は、ゆっくりと悠々としたリズムで歩けているだろうか?せかせかと動くことが悪いわけではない。それが社会のリズムなら別に構わない。けど、新聞が「日本は豊かな国です」というのは、意味がずれている気がする。
黒人に限らずアメリカでは、自分のペースでゆうゆうと生活するのが『豊かな生活』という価値観がある。お金がなくても、ゆっくりと悠々としたリズムを忘れない。そんなことを日本の友人に話すと、日本でもゆっくりと道路を横断する人たちがいるという。それは、お婆さん達。確かにお婆さんたちは、周りをいらつかせながらゆっくりと道路を渡る。それは、せかせかした世の中をゆっくりと歩くことで、豊かさを抗議しているのかもしれない。
ちなみに僕の黒人の友人は、その後、小走りに目覚めたらしい。今頃、どこかで誰かに話しているかもしれない。「権利ばっかり主張しては駄目。時には権利を捨てて、小走りしないと。俺の日本人の友人が・・・」


嵐の音と共に、メトロノームが鳴り出し、「嵐(新曲)」が演奏される。この新曲は、アルバムで言えば『eclectic』的という感じ。次はひふみよコンサートで発表された「イチゴが染まる」をしっとりと歌い上げたあと、今回のツアー発表のときに、やると宣言していた結婚拒否曲「それはちょっと」。この曲は、Life期の小沢健二のキャラクターとマッチしていて、「女の子に結婚を迫られて、君のことは大好きだけど僕はわがままだから結婚は無理!」と拒否る歌詞が最高に面白いのだが、まさか改めて今のオザケンがコンサートで演奏するとは思わなかった。


次の朗読は「Believe」
アメリカでスポーツ観戦へ行くと「Believe」という文字が横断幕やT-シャツの胸などに書いてある。自分の力や勝利を信じることができないと、大きな力を発揮することはできないからだ。そして、「Believer」という言葉は、前向きな言葉として使われる。信じる対象が問題ではなく、信じることが未来を拓く力となるということ。
Believerを日本語で直訳してみると「信者」。日本での使い方は、あまり良いイメージで使われない。例えば、「あいつは○○信者だから!」とか。信者という言葉は、すこし悪いイメージで使われる。
ある日本史の本に「日本で世直しを願う民衆の情念は、常に宗教の形をとる」と書いてある。
では、もし僕が日本の支配者となったらどうするだろうか?クーデターは常に宗教の形をとることを知ったとき、宗教の力を封じるために宗教は悪いことだという世論を作り出そうとするだろう。「信じることは馬鹿がすることだと。スポーツでは、これを敵のチームが行う。相手に力を出させないために、「信じるな、信じても無駄だ」と相手に囁きかける。
信じるという熱情は、恋愛と似ている。信じられるなら、恐れずに信じる。自分を信じて9回裏の攻撃に望む人のように。僕ははそんなBelieverの味方です。」


メトロノームが鳴り出し、ギターにベースが加わり「天使たちのシーン」が演奏される。
『神様を信じる強さを僕に、生きることを諦めてしまわないように』としっとりと歌い上げると、「おやすみなさい 子猫ちゃん」へ。「女の子!」「男の子!」「3階席」「2階席」「1階席」「オペラシティ」の掛け声と共に、「Where do we go? Where do we go hey now?」の部分を「どこ行こう どこ行こう、今」と変えて会場で歌う!改めて思うのは、女性の声が圧倒的に多い。是非「子猫ちゃん!」と叫んでいただきたかったけど、流石にそれは無かった。やって欲しいような、欲しくないようなどきどきした気持ちで待ってたけど。「ホルモンタンクの人!」「涙ラブリー(ほくろ)の人!」とか。そして次の曲は「BACK to BACK」。後期シングルの発表時期は、コンサート活動やTV出演を精力的に行っていなかった時期と重なるため、こうやってコンサートの形で聞けるのがとても嬉しく、懐かしさで興奮してしまった。

時を刻む音、今。

嵐の音が流れ影絵の雷が光輝く。
そして、「待望」の小沢健二の登場し、ひふみよサイトに発表された「街に血が流れるとき」を朗読する。
「投資界に、「町に血が流れる時は買い時」という格言がある。ロッカフェラーが言ったとか、ロスチャイルドが言ったとか。よく「戦後の闇市で一財を築いた」などという表現も聞く。町に血が流れる、大混乱の時には、普段できないようなお金儲けができる、ということらしい。それは、僕らの今の社会の性質らしい。
 町に血が流れる時、多くの僕らは泣き、立ちすくみ、走り出し、座り込み、呆然とする。 心配で眠れなくなる。疲れる。誰に向けたらいいのか、怒りがこみ上げる。気持ちが混乱する。後悔する。未来がわからなくなる。居座ろうと腹をくくる。でも、怖い。
それは多くの僕らの、善意がこんがらがった気持ちだ。けれど、町は善意だけではできていない。 善意に見えるものの裏に、何かがあることがある。善意とは関係ない、何かが。では、目にする善意を疑ってかかるのか? そんなことはできない。あふれる善意は圧倒的に輝き、それは僕ら自身だ。でも、その光の中で、巧みに動き回る影もある。強い光の中で、影も強くなる。(ひふみよサイトより抜粋)」
そのあとに、未発表の後書きを読みだす。
「9.11の時、僕はニューヨークのマンハッタンに住んでいた。朝っぱらから鳴り続ける電話で起こされると、タワーが燃えていた。窓からから次々と人が飛び降り、やがてタワーが崩れていった。ニューヨークの市長が、テレビで「テロリストに対抗する手段は経済をストップさせないこと。買い物をしてください。」と話している。僕はそれを聞いて、「経済をスットプさせない事が、テロリストに対抗する手段?」って思った。そのコメントを受けてか、市街地にある高級店は開店していた。そんなニューヨークに居続けた僕としては、なにか文章を書かずにいられなかった。大事なことの多くは既にいろいろなところで書かれたり、言われていたのはわかっていたけど、「これを言わないと」という出しゃばりな危機感から、僕はこの文章を書かずにいられなかった。
そして、この文章と一緒に無数に積まれている石の写真を1枚添えてサイトにアップした。
無数に積まれている石達は、誰がいつ積んだのかわからない。色々な時代の多くの人たちが、祈りを込めて積んだのだろう。僕が付け足すことはなにもないかもしれないけど、どうしても一つ、祈りを込めた石を積んでおきたかった。」

次に「メトロノーム」を朗読する。

ガリレオ・ガリレイは、振り子は時を均等な間隔で分割する事に気づき、そこから振り子時計という発想が産まれた。時計の秒針は、1分間に60回音を刻む。それを音楽ではテンポ60という。その秒針の音の間隔を調節できるようにしたのがメトロノーム。テンポ60だけでなく、はやくしたり、遅くしたり変えることが出来る機械。振り子は、地球の自転の影響を受け、同じ振り子でも地上のどこにあるかで違う振れ方をする。ヨーロッパで産まれたメトロノームは、東京でどんな振れ方をするのだろう?」

そう語り終わった後、脇のテーブルに置いてあるメトロームを鳴らしだす。
カチッカチッと時を刻む音に合わせて、ギターを鳴らしだし、新曲「東京の街が奏でる」が演奏される。
『周波数の隙間から聞こえる音に耳を澄まし 東京の街が奏でる』

オザケンがギターを弾きながら、メンバーを一人ずつ紹介する。すると、呼ばれたメンバーが次々とステージ上に現れて演奏に加わっていく。音がどんどん厚みを帯びていくと、「さよならなんか云えないよ」が演奏される。
『本当はわかっている 二度とは戻らない日にいると』
過ぎていく時間に対するもどかしさを歌ったこの曲を聴くと、僕はいつでもドキドキしてしまう。次に、テンポを変えてメトロノームを鳴らし始め、ギターのアルペジオとストリングスが絡み合い「戦場のボーイズライフ」へ。「オッケーよ」と両腕で丸を作りながら、この歌を口ずさみ、「本当に原宿あたりをダッフルコート着て歩いたなぁ…」なんて事を思い出す。
次の曲はテンポ60で「いちょう並木のセレナーデ」
影絵の合図に合わせて「男の子、女の子パート」と会場中で歌い合う。
『長い時間を僕らは過ごして 夜中に甘いキスをして(フゥー)』
こうやって女性と男性で交互に歌い合うと、この曲の雰囲気がより浮き立つ感じがした。
「次の曲も歌えるところは、全部歌ってください。」の言葉の後、ギターのアルペジオが流れ出したと思ったら、バックコーラスの真城めぐみがメトロームのテンポを間違えてやり直し。
今夜はブギーバック今夜はブギーバック(大きな心)」
ひふみよライブと同様に、ラップ部分は会場が歌うのかなと思っていたら、小沢健二がそのまま歌いだす。会場が笑いに包まれながら、自然と一緒に会場全体で歌いだす。肝心の2番のRAP部分はどうするかと期待していたら、そのまま小沢健二が「俺、スチャアニ」って歌うのには笑った。大歓声とともに会場が沸く。
曲が終わると「座ってくださいサイン」が表示され、皆が座り出す。

エスペラール、エスペランサの時。


小沢健二コンサート「東京の街が奏でる 第十一夜」 in 東京オペラシティに行ってきた。
一昨年の活動再開(ひふみよコンサート)から、毎日の忙しい生活のせいで、自然に時がどんどんと過ぎていくけど、この小沢健二のコンサートは、僕にとって長く待ち焦がれていたもの。
場所は、東京オペラシティオザケン曰く、コンサートに旅行していくってわけです。(「曰く」って言葉を使うと、いつも光栄のゲームを思い出す。司馬懿仲達曰くって感じで)

東京の友人と久しぶりの再会。
とりあえずお昼を一緒にということで、適当に入った店(友人曰く、注文の多い料理店みたいな店構え)へ。カウンターと小さな掘りごたつの席だけのこじんまりとしたお店で、少し昭和な雰囲気で居心地も良く、注文したオムライスが美味しくて大満足。後でネット調べてみたところ、けっこう人気店らしく、夜の予約は数カ月待ちらしい。是非、また行きたい。食事をしながら、結婚した?する?って話と7月に実家(鳥取県)へ家業を継ぎに帰るって事を聞いて、びっくりする。その後、予定をしていた美術館が休みのため、オペラシティ内をぶらつきながら時間を潰す。その合間にMIXI内でチケットを譲る予定の2人に、無事に会えて一安心。
(お2人ともとても丁寧な方で、お土産をいただいてしまいました。ありがとうございます。)

そんなこんなで頃あいの良い時間となり、グッズ売り場を見ているとTシャツのSサイズ、Mサイズが完売。このT-シャツは必ず買おうと企んでいたので普段なら取り乱すところですが、6月に名古屋パルコへひふみよショップが来るので、「ま、その時に買えばいいや」と判断し、色と絵柄に目星を付けるのみ。グッズはとても綺麗だったブルーのスカーフのみ購入。買い物を済ませて、ロビーを彩るひふみよTシャツを着たキツネ顔のマネキンとの写真を一通り撮り終えると、会場内の席へ移動する。
開演まで少し時間があるので、ステージ上の機材を覗きながら友人と「あーだ、こーだ」と話しあう(ステージに2つの池があり、複数のメトロノームやオルゴール置いてあること。ドラムがないこと。ステージ上のスタッフが黒子衣装、映像を映し出す施設がないこと。予測は、概ね正解。)

やがて開始時刻がせまってくると、ステージ上にあるメトロノームの音がマイクを通して会場に鳴り響きだす。複数のメトロノームが奏でる音は少しずれたまま「カチッカチッ」と重なり合う。こぼれ出すような期待感から、会場がざわつきだす。やがて、黒子衣装を着たスタッフがステージ上にあるメトロノームを1つずつ止めていく。やがて、メトロノームが最後の一つになると、「カチッカチッ」という音にリバーブがかかり、会場全体に大きく残響をのこし音が止まると、ステージが暗転する。

そして、ステージ脇より七尾旅人が登場。
ステージ上にある手巻きのオルゴールを回すと2ndアルバム「LIFE」の最後を飾る「いちょう並木のセレナーデ(reprise)」が流れ出す。オルゴールが鳴り終わると、七尾旅人がステージ真中へ移動する。「期待を裏切ってすみません。こんにちは、七尾旅人です。」と挨拶した後、手元にある原稿を片手にモノローグを語り出す。(このコンサートのオープニングは、東京の街を奏でているミュージシャンが日替わりで担当しているらしく、今夜は七尾旅人なのだという。)
ノローグ
(注:朗読のの内容は僕の記憶のみです。中身はだいたいこんなことを言ってたなってのを、勝手に文章にしてます。コンサートの雰囲気を味わう感じで読み飛ばしてください。)
「音楽は時間の芸術です。音楽は生きるために必要ではありません。本当に必要なものは食べ物や衣類や家です。音楽は無駄で贅沢で必要ないものです。だけど、音楽が鳴っている限り思いっきり楽しめる幸せな時を、待ち、望む(エスペラール、エスペランサ)ことが出来ます。だから、この街に音楽が鳴り続ければいいなって、そんな風に思います。」
そう語り終わった後、原稿から客席に目線をあげて「このモノローグを読んで、ぱっと思いついたメロディーがあるので歌いたいと思います。後でスタッフさんに怒られるかもしれないなぁ。小沢くんは何にも言わないと思うけど…」なんて話しながら、七尾旅人がアカペラで素敵な歌を歌い出す。

「もしあなたが耳をすませてくれたら、僕、お礼に小さな歌をあげるよ。」
歌い終わると、七尾旅人の素晴らしい歌声に大きな拍手が起こる。

そして、スクリーン上に映し出された影絵を指さしながら、コンサートを楽しむルールを説明する。(「座ってください」「立ってください」「女の子歌ってください。」「男の子歌ってください。」サインなど)
説明が終わり、再度モノローグの続きを語り出す。
「これまで東京の街では、沢山の音楽が作られ日本中の街で流れてきた。音楽を作り手は、あの部分を直したいなぁなんて考えたりするけど、時の流れのなかでゆっくりとこの街の音楽になっていくのです。」と語り終えると、もう一度オルゴールを鳴らしだす。曲が終わり、ステージが暗転する。

Perfume「JPN」ツアー@エコパ

パフュームというユニットの価値も、しっかりと地場が固まってきている。
女の子受けの高い歌詞の曲が多くなるとともに、あんなに熱狂的だった気持ちも少しずつ醒め、コンサートのチケットを取るために入っていたファンクラブも期限切れとなり、東京ドーム公演も今までのコンサートの焼き直しのようでつまらないと感じていた。熱心に聴いていたあの頃のような「特別に好きなユニット」では無くなくなってきていた。けど、ニューアルバム「JPN」に収録されているシングル以外の曲(脱オートチューン!!)がなかなか良かったので「最後のコンサートとして観に行こうかな?」と思い立ち、mixiのチケット譲渡希望の方からも運良く手に入れることができたこともあり(ダメ犬さんに感謝)、Perfume「JPNツアー」@エコパアリーナに行ってきました。


ネオンライトのカーテンがせり上がり、3人が登場!!ニューアルバムの最初を飾る曲、その名も「The Opening」と共に、一段一段と前にせり出す光る階段を下りてきたところで、立て続けにニューアルバムに収録されているシングル曲「レーザービーム」〜「VOICE」。矢継ぎ早に、特徴的なシンセ音のアルペジオが流れだして初期人気曲「エレクロワールド」で一気に会場が盛り上がった。この曲の間奏部分がかっこ良くて、無条件に気分が終わる。そして、これからの新しい暮らしを歌った「ワンルームディスコ」の後、MCへ。
お決まりの挨拶の後に「のっち」一人のMC。相変わらず上手いことを言おうとしているけど、いまいちピンとこない言葉はアリーナを微妙な空気感にしてる。それを察知したのか「かしゆか」、「あーちゃん」がステージに戻ってきてフォロー。恒例の長い客弄りを行い、これまた恒例のあーちゃんトークへ。タクシーから見えた景色に「こんなところにも茶畑が!」というカルチャーショックがあったことから、いろいろと長いことをしゃべり、今日起こったあーちゃんの事件について話そうとしたところで、まきが3回ぐらい来ているので「この話はあとで!!」と いうことに。
MC後の一発目の曲は「Have a Stroll」〜「時の針」。小太鼓のリズムとともに時計の針を模したスポットライトを浴びながら、操り人形のように踊りながら「時の針」を歌う姿が可愛らしかった。そして曲が終わるとオルゴールが流れ出し「微かなカオリ」へ!!。この曲のつなぎにグッと心を鷲掴みにされてしまった。そして「スパイス」〜「GLITTER」へ。3人がレーザーに囲まれる演出が素敵だった。この2曲を聞くとPerfumeの曲を作成しているプロデュサーの中田ヤスタカ氏は才能は枯れないなぁ…と本当に感心する。そして「シークレットシークレット」のイントロ共にPerfumeメドレーへ。もう出し惜しみなしの良曲をこれでもかと。「不自然なガール」〜「Take me Take me」〜「Baby cruising Love」〜「575」〜「I still love U 」」〜「love the world」〜「シークレットシークレット」


そして二度目のMCへ。あーちゃんが「続きを話すよ」というと、水を飲んでいた他の2人が慌てて「私も聞きたい」とステージに戻ってくる。
新幹線に乗り遅れた話で内容は割愛。(キーワードは「こだま」、「のぞみ」、そして「西野カナ」)また一段と長いMCの後、Perfumeの最大ヒット曲「ポリリズム」。曲が終わると会場が暗転しスクリーンに「Music by 中田ヤスタカ」の文字と共に、アゲたい時はコレな曲が流れ出す。この演出が本当にかっこよかった。映像に映し出されたボールを次々とはじくPerfume版「アルカノイド」から「格ゲー」演出(お互いに蹴りを繰り出し、当たるとPerfumeがパーティクル化。このエフェクトは高そう。)そしてファンには恒例のPTAのコーナー。あーちゃんによる「し・ず・お・かー」の掛け声とともに会場が一体となり揺れる。「FAKE IT」〜「ねぇ」〜「ジェニーはご機嫌ななめ」〜「チョコレイト・ディスコ」〜そして手のひらを上に上げたところで「MY COLOR」へ。アンコールは「Dream Fighter」〜「心のスポーツ」。最後に結成12周年を先日迎えた時、かしゆかとハグができなかったからとかしゆかに抱きつくあーちゃん。3人のこれからは変わることなく続いて行く!最後にあーちゃんが「今日のことは私たちの秘密だよ!」と叫び、コンサートに幕を閉じた。

全体を通して今まで行ったPerfumeのコンサートの中で一番の出来だった。他の場所のセトリを見ると、なんかアンコール曲が少ない。
たぶん、MCが長すぎてカットしたのか?うん、またコンサートに行こうかな。

<セットリスト>
01. The Opening
02. レーザービーム (Album-mix)
03. VOICE
04. エレクトロ・ワールド
05. ワンルーム・ディスコ
06. Have a Stroll
07. 時の針
08. 微かなカオリ
09. スパイス
10. GLITTER (Album-mix)
11. メドレー
 シークレットシークレット
 不自然なガール
 Take me Take me
 Baby cruising Love
 575
 I still love U
 love the world
 シークレットシークレット
12. ポリリズム
13. P.T.A.のコーナー
14. FAKE IT
15. ねぇ
16. ジェニーはご機嫌ななめ
17. チョコレイト・ディスコ
18. MY COLOR

      • encore---

19. Dream Fighter
20. 心のスポーツ