この物言いは、単純で開けっ放しな響きをもっている

perfume歌詞考察(軽め)
perfumeというか中田ヤスタカの歌詞は基本的に音感で決めていると思っている。
内容的に細切れな印象を受けることが多いし、発売されたアルバム「トライアングル」の歌詞は後につくられた曲ほど歌詞が少なくなったらしい。という事なので中田ヤスタカ自身は歌詞を書くことはそんなに得意ではないと感じる(ピチカートのフォロワーみたいだった頃は、結構がんばっていたと思うんだけど・・・)内容はまったく無視ではないけど、かなり直感的に書いているのではないかと思う。けど、こういう作り方だからこそなのかも知れないが、言葉の使い方にドキっとするしすごく感心するときがある。
今回のアルバムの7曲目に収録されている「Zero Gravity」の「あぁ ほら そっか」という歌い出しにはやられた。
どうしても無駄な言葉を排除してうまく描写をしたいと思っているとこういう言葉の使い方はできない。だけど、この歌詞に心情や描写、また音感(イントネーションや歌い方)がメロディにあっているからこそ、すごく自然で手に取るようにわかりやすい。
1stアルバム「コンプリートベスト」に収録されている「Computer City」にも同じような部分がある。
歌詞の内容は、男女両方の視点から愛という気持ちをうまく処理できない事を、コンピュータ(0=0、1=1という明確な判断)や仮想世界(完璧に管理された世界)という存在に問いかけるようにして描写しているもの。そのなかで「ぜったい故障だ てゆうかありえない 僕が君の言葉で悩むはずは無い」という部分。
他にもアルバム「トライアングル」の先行シングルでもある「Dream Fighter」の「ねぇ みんながいう普通ってさ 何だかんだって実際はたぶん まんなかじゃなく理想に近い」の部分。
無意識にそっとでてくる口癖のような歌詞をはさむことによって主人公がどんな気持ちで考えた言葉なのかを一気に理解しやすくしている。
この二つの歌詞の真ん中部分を削除すると「ぜったい故障だ 僕が君の言葉で悩むはずは無い」「ねぇ みんながいう普通ってさ まんなかじゃなく理想に近い」と意味は変わらず違和感も感じない。歌詞としても全然悪くないけど、省いた部分をなくすことで主人公の気持ち(心情や意思)の伝わり方が希薄となり、実感としての言葉という内容ではなくなってしまっている。こういった事だけでなく内容やその他の部分でもいいなと思う歌詞はたくさんあるのだけど、僕にとってこういう歌詞をかかれると毎度のことと思いながらグッとくるわけです。


それでは、今回の一曲
Emmy the Great - First Love

そして
Perfume - Computer City