ディランとロック

ある人の好意から「Zepp nagoya」での公演を見に行くことに。正直に申し上げてボブディランは殆ど知らないわけで、アルバムも代表曲(一般的に一番有名な曲と言ったほうが語弊が無いと思いますが)「Like a Rolling Stone」が入っている「highway 61 revisited」を持っているのみという程度で見に行っていいのかなぁとも思いましたが、そこは基本的にミーハーですから「それはそれで今のボブディランを見に行くのもちょっと面白いなぁ」と感じたというのも本当なわけでありまして。チケットを譲ってくれた方はジャンルの壁を作ることなくいろいろな音楽を聴いている人で、僕はその人の音楽談義を聴く(読む)のがとても好きなんです。岡田斗司夫のいう「聴けるカラオケと聴けないカラオケ」の理論で言えば、この人の話は聞く努力することなく楽しんで聞けるというやつです。そんな人から「俺はボブディランが一番好き」と言う台詞とボブディランについての語りを聞いたからには否応にもこっちは興味津々状態です。早速ライブに向けて最新のアルバム「Togather Through Life」をamazonで購入し、その人のお勧めの曲を聴いてみたり、昔訳した歌詞を読んでみたり、負けじと自分で訳してみたりと予習を開始。万全とはいえませんが素人の俺がボブディランのファン(ターゲット:ライト層)よりライブを読み解いてやるぐらいの勢いで行ってきました。


僕の今までのディラン(若い?)のイメージはUSAforAfrica「We are the World」の映像で見るような所在無さげで不器用そうに佇んでいるものと、みうらじゅんの漫画「アイデン&ティティ」による影響からセンチで力強い言葉をギターを弾きながら歌い、たまにプピーとハーブをかき鳴らすもの2つだった。
しかし最新のアルバムの音を聞いて浮かぶのは、例えるならジョアン・ジルベルトみたいにギターを持って淡々と鼻歌のようにボサノバならぬロック(ブルース)を歌う70歳のボブデイラン。「ファンサービスってなに?」という感じで次から次へと矢継ぎ早に曲を弾いて、美味しいとこは見えないところに隠しておいて気付いたファンのみそれを味わうことができるというようなそんなイメージでした。(どんなだよ。)
登場するとオルガンの前に立った(僕の中では「あれ!?ギターじゃないんだ」)あと歌声が思ってたよりパワフルだった以外は、ある程度イメージ通りでした。
しかし途中から演奏に熱が入ってきたのか、オルガンにサービスたっぷりのギターが絡んできて、すごく体を揺らしたくなるようないろんなフレーズをここにいる観客を探るようにしながら楽しませようとしてくれるのを感じてすっかり上がってしまいました。周りはまったくピクリともしてませんでしたが、ジッと音楽を聴いているのは性に合わないので結構踊ってきました。音響もバランスがよくて一つ一つの音がクリアに聞こえ、なおかつディランの歌声と上手く調和していたので言うことなし。アンコールで歌った数少ない知っている曲Like a rolling stone 〜 joleneの流れは僕の中でのクライマックス。年齢を経ることにより存在がパワフルになれる人というのはどういう生き方をすればいいのだろうか?
いやぁ、いいものが見れた。


他のウェブサイトからぱくって来たセットリスト
1. Leopard-Skin Pill-Box Hat
2. Lay, Lady, Lay
3. Things Have Changed
4. Just Like A Woman
5. The Levee's Gonna Break
6. Every Grain Of Sand
7. Cold Irons Bound
8. Sugar Baby
9. Honest With Me
10.Desolation Row
11.Highway 61 Revisited
12.Spirit On The Water
13.Thunder On The Mountain
14.Ballad Of A Thin Man
(encore)
15.Like A Rolling Stone
16.Jolene
17.All Along The Watchtower



それでは、今回の一曲
INTERNET FOREVER - Cover The Walls