なつ、の、すまた

fredstar772005-08-06

 冬のスマタでお馴染みの寸叉峡へいったのです。
何故行ったのかと問われれば、何の事はありません。
「夏のスマタへ行ってきた」と、口に出してみたかっただけです。
とにかくいつも引きこもり気味の僕が、退屈病になやまされていたせいであったろう。
この時に限って、今までに無い生き生きとした興味の中に蘇生し始めていたのでした。
なにはともあれ、キャメラを持ってヴェスパに飛び乗りナナハンライダーを気取って出かけたのです。


 ライダーといえば仮面ライダー仮面ライダーといえば赤いマフラーと考えているうちに
「これは絶対に外せない」という気持ちが泡のように浮かんでは消え、そして永遠のように沸々と湧き上がりました。
しまいには自分自身が厳然となるライダー達に取り巻かれて、首に印が無いのを恥じるような気持ちになりました。
一旦家に戻り、バンダナを首に巻いて今度は仮面ライダーを気取って出掛けたのです。


 途中の吊橋でおばあさんと会いました。
毎日涼みに吊橋の上でたたずむそうで、この時僕はすてきな思い出話を頂いたのです。
内容は秘密ですが、そんな事がありながらも
元気に生きて今年50を超える娘さんの事を話すおばあさん。
いつまでも子は子。親と同等になることなど有り得ないのだと痛感させられた次第です。


 写真を撮るポイントを自分なりに分析してみますと、人工物と自然の融合した姿が好きなようです。
最近の言葉では言えば、ダブルネームでコラボっているものと伝えれば理解が早いのでしょうか?
一言で言うと「風化」。人工物が自然に帰る過程が好きなのであります。

前回は梶井基次郎風、今回は夢野久作風に書いてみた。
大変だけど結構面白い。次は誰風